BtoBビジネスにおけるオンライン広告予算の組み立て方

ホワイトボードで広告予算を検討する男性

まだ広告運用を本格的に行ったことがない方から非常によく聞かれるのが「どのくらいかければ効果が出るのか?」という質問です。

小額の投資から効果が得られるオンライン広告では、「いくらかければ効果的」というよりも、「この売上を達成するためにはいくら必要」という逆算の思考法で予算を設定していきます。

本記事では、その設定方法をお伝えします。

1. 売上目標と、目標コンバージョン数を決定

まず、何はなくとも目標設定です。目標が決まらなければ戦略も戦術も予算も決まりません。

期間あたりの目標売上額と、それを達成するためには何件の受注が必要なのか(目標受注数)を決定します。

さて、ほとんどの BtoB ビジネスでは、EC サイトなどと違い、ウェブ上のコンバージョン(問い合わせ、資料請求など)がそのまま受注件数とはなりません。ウェブのコンバージョンからの成約率も加味した上で、目標コンバージョン数を求めておきます。

ここでは、 目標コンバージョン数 = 目標受注数 ÷ 成約率 という計算を用います。

たとえば、月間目標受注数が 60件 で、ウェブ経由の問い合わせからの成約率が 30% だった場合、200 件の問い合わせが必要となります。

実際には、この成約率を明確に決められない方がほとんどでしょう。

同じウェブ経由の問い合わせでも流入経路によって質が異なります。例えば、広告よりも検索からのブログ経由の方が成約率は高くなりがちです。また、広告運用をしていない BtoB ビジネスのウェブサイトの訪問数はかなり小さな数字になるため、過去の数値が十分に信頼できるものではありません。

まずは過去からの肌感覚で良いのでエイヤ!と決めてしまい、訪問が蓄積されるにしたがって、徐々に目標数値を修正していきましょう。

2. 目標コンバージョン獲得単価の設定

次に、1コンバージョンあたりの目標獲得単価を設定します。CPA (Cost per Acquisition)とも呼びます。要は、問い合わせ1件につき、どのくらいの費用をかけられるかの上限を決める作業になります。

当然ながら、CPA は 1件の受注単価のうちの粗利を超えることは許されません(広告費だけで赤字です)。

ですが、商材の性質によっては、その後のリピート受注や、保守料金などの月額課金を生み出せるものもあります。その場合、それらも加味した上で許容範囲をできるだけ上限まで設定しておくと、広告施策で取れる幅が広がります。

例えば、1件あたり平均 500,000 円の受注単価でも、それが平均して3回ほどリピートされれば合計 1,500,000 円(のうちの粗利分)。月額 10,000 円の保守費用が平均5年間継続するのであれば合計 1,110,000 円(のうちの粗利分)。

顧客単価だけにとらわれず、長い目線で目標問い合わせ獲得単価を設定することをオススメします。

3. 全体の広告予算の算出

ここでようやく、前述の 目標コンバージョン獲得単価目標コンバージョン数 をかけあわせ、全体の広告予算を算出します。

といっても、ここで出るのはあくまで粗利ベースの上限値になるので、これを超えない範囲で、市場での広告単価や ROI を見ながら、現実的なところに調整していきます。

厳密な調整には経験的な部分も必要になってきますが、最初はあまりキッチリ考えずに、まずは理詰めで予算を立てるというところが大事です。

オンライン広告は、投資した分から得られた利益がすぐに分かるので、実際に動かしながら予算も軌道修正していくことがほとんどです。

By 中村 真由美

外資系 IT 企業出身のエンジニア・マーケター。2020年に Fida を設立し、地方の中小企業様の営業活動に BtoB マーケティングを実装しています。

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